2014年10月16日木曜日

FCルワンダ〜難民映画祭

こんにちはー、
最近はルワンダで行ったインタビューをひたすら文字起こしをする毎日です。
一時間分のテープ起こしをするのに六時間くらいかかるとして、
二六時間分くらいあるので

26時間×6時間=・・・・

計算したくなーーー!

前は研究者もいいかなと思ったけど、前言撤回!
足で動き、目で見て、インタビューする、そこまでは、とても好き。多分どっちかというと得意分野。

しかし、パソコンの前で何時間も座って、無数の砂の中から1つの少し色の違う砂を探したり、砂達のパターンを探したりするような作業。
苦手だなあ。

インタビューにしっかり応じてくれた人たちのためにもしっかりテープ起こししなきゃーという気持ちと、もうやめたーいという本能が闘う毎日です。


さて、この前難民映画祭に行ってきました。
http://unhcr.refugeefilm.org/2014/
なんと入場無料ー!
色んな映画を見ることができますよ。

今回見たのは「FCルワンダ」。
またルワンダかーいっ

何を上映するのか知らないで行ったんですが、、、もう運命です。


内容は
ルワンダの虐殺から20年、政府は国民一人一人における民族の帰属意識は弱まり、代わりにサッカーが人々の和解をもたらすと信じている。しかし現役の選手たちが幼少期にそのフィールドで見た凄惨な現場、積み上げられた屍の数々、連れ去られた弟や妹たちの姿を忘れることはない。記憶は消去できるのか?民族間のあつれきは本当に解消されたのか?サッカーを通して本作はそれらの問題に迫る。




映画ではちゃんと日本語訳ありますよ。 

ネタバレ?

サッカーを通して、とありますが、ほぼ関係ありませんでした。笑 政府に取材許可をとるためにサッカーを言い訳にしたのか?と思うほど。

何人か、主要な人物たちのインタビューを元に構成されていました。
前半はジェノサイドの凄惨さを体験談をもとに。 
特徴的なのは、後半になって、「ルワンダ人」というナショナル・アイデンティティと「ツチ・フツ・トワ」というエスニックアイデンティティの話をしてたこと。
とくに若者の。

 ここは少し面白くて、監督がオランダ人の人だと思いますが、この国で取材をする難しさを映像の中に漏らしながらも人々の心理に迫ろうとした様子が伝わってきます。 なにせ同じようなテーマを研究しているので、気持ちが痛いほど分かる! 


ルワンダの人は抽象的な話はたくさんしてくれます。しかし個人的な体験を聞かせてもらうにはそれなりの信頼関係が勿論必要です。

例えば、ジェノサイドは悪い、なぜなら人がたくさん死ぬし、人々は信頼関係を失うからだ。 という話はよくしてる。

だけど ジェノサイドは悪い。なぜなら私にはこういう体験があって〜そのときこう気づいたから、どう思う。 という話をきくのは難しい。

日本人だって同じことですが、抽象的な話よりも具体的な話の方が、 より人の心に踏み込むから。より喋り手の深層に迫ることになる。

 表現の自由が制限されていると言わざるを得ないルワンダでは、それが特に難しい。


政治的な話になると思うと、人々は口をつぐむ。 

民族の話も一緒でなかなか口に出せることではない。


だからこそ、綺麗な緑に囲まれ、経済発展に湧くルワンダの地下深くにどろどろとした層がうごめいているような、 闇を感じることがある。

 その闇に挑もうとしたのがこの作品。 映像は顔出しだから、本当に撮るのが大変だったのではないか、と思う。
最後は、誰か忘れたけどおじさん、が抽象的なことを喋って終わり、で若者の本音を聞くことは断念されたよう。だけど、問題提起としていい作品です。

何より、ジェノサイドのことではなく、その後のこと、特に若者に着目した映画はなかなかないので!

 興味が湧いたら是非どうぞ〜

まだ上映する日があるはずです。

 同じ日に見た「スケーティスタン」という映画も面白か
ったですよ。 スケートボードでアフガニスタンの子どもたちに夢を与えようとしたスケーティスタンという団体のドキュメンタリーです。